有酸素運動の有効性は男女で違う?
みなさんこんには!今回は、コロランド大学の研究から分かった
有酸素運動の有効性を考えてみたいと思います。
今回の研究は、血管機能改善に重点を置いています。健康に関して血管機能は密接に関わっています。例えば、厚生労働省の調べから日本人の3大死因は、悪性新規物(がん)、心疾患、脳血管疾患です。どれも、血管機能が関わっているのがわかります。しかし、万能思っていた有酸素運動は男女によって効果が違うのか?詳しく見ていきたいと思います。
目次
- 結論
- 研究内容の紹介
- 考察
- 実践できること
- まとめ
1. 結論 意外な結果、、
2. 研究内容についての紹介
明確にすること。
*予備知識
ここで、今回は見慣れない用語がたくさん出てくるので、紹介したいと思います
・血管内皮機能:血管内の働きです。(伸縮や弛緩)
・エストロゲン:女性ホルモンとも言われています。体の調子を整え、髪や肌に潤いをもたらしてくれます。ちなみに、男子にもあ
ります
・経皮プラセボパッチ:簡単に言えば、何も効果のない湿布を貼ること
・経口プラセボ錠剤:同様に、何も効果のない錠剤を服用すること
・プラセボ治療:治療効果を明確化するために、何も効果のない薬と比較すること
・アセチルコリン:リラックス効果をもたらしてくれるもの
・バイオアベイラビリティ:飲んだ薬物が全身に回る割合を示すもの
実験内容:たくさんの先行研究の実験データから総合評価する。その中でも3つだけ紹介します。
実験1
8-9週の運動プログラムを行う
運動時間:50分/日
強度:最大心拍数70-75%程度
頻度:週6
結果:男性(中高年):50%血管機能が向上した(運動したグループとしていないグループで比較)
女性(エストロゲン欠乏患者):明確な違いが見られなかった
その後の他に研究でも明確な改善や向上性は確認できませんでした。
実験2
次は、以下のような三つのグループに分けたグループにアセチルコリンを投与し血流反応を見ます
1.) 閉経前の女性
2.)エストロゲン欠乏の閉経後でかつ運動していない女性
結果:1.)と3.)は同じ反応→血圧補正された
2.)は、血流反応が低く、加齢の影響を受けやすい
実験3
閉経後で運動をしていないエストロゲン欠乏患者を対象に行い、以下のような3つのグループに分けました。
最初の12週に以下のような錠剤を投与します
3. 考察
以上の実験結果から以下のようなことがわかります。
実験1.より、定期的な有酸素運動(中・強程度)は、男女共と一貫した有効性が示されていない。
一貫して増強しない。
効果がある。
少し難しいので、簡単にまとめてみます。
- 有酸素運動は、中高年男性・女性のエストロゲン治療を受けた両方で血管内皮機能の改善にかかわる可能性がある。
- 有酸素運動することで、、運動不足の中高年の男性、そしてエストロゲン治療を受けた女性とエストロゲン欠乏の閉経後の女性の両方で血管機能の減衰を軽減するが、男女で有効性が異なる。
- 男性の場合、有酸素運動によってバイオアベイラビリティを高め、酸化ストレスを減らすことによって、男性の加齢に伴う血管内皮機能も維持する。
- 女性の場合、エストロゲン欠乏の閉経後の女性における有酸素運動の同様に有益な効果についての一貫した証拠が現在不足している。しかし、以上の結果から、エストラジオール治療によって酸化ストレスを軽減させ、閉経後の女性の内皮機能の改善を引き起こす有酸素運動刺激の能力を回復させる可能性がある
4. 実践できること
今回の研究から、むやみに有酸素運動してもマイナスにはならなくても治療にまでなるかと言えば考えてしまう結果になりました。
治療にまで発展するにはまだ時間がかかりそうですが、予防はできると思いました。有酸素運動は先行研究から、男女問わず加齢に伴う動脈硬化の抑制や酸化ストレスの減少などの効果はわかっています。なので、予防に徹するのが一番だと思います!!
なので、無理のない運動習慣を身につけるためにまだまだ自分探しをします!!!
5. まとめ
今回は、血管機能の改善に重点を置いた内容から、有酸素運動の有効性について考えていました。
男女によって有効性が違うことにはびっくりでしたが、病気にならないように予防するためのヒントは得られたと思います。
参考文献
令和2年(2020) 人口動態統計月報年計(概数)の概況 - 厚生 ...https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/dl/gaikyouR2.pdf
"Aerobic Exercise Training and Vascular Function with Aging in healthy Men and Women", Douglas R. Seals, Department of Integrative Physiology, University of Colorado Boulder, Boulder, CO 80309, USA, J Physial. 2019 Oct; 597(19):4901-4914.