中・高齢者でも安全にできる糖尿病に効果的な運動

 

みなさんこんにちは!タクミです。今回は、フロリダ大学の研究から分かった「中・高齢者でも安全にできる糖尿病に効果的な運動」について考えていきたいと思います。

 

目次

  1. 結論
  2. 実験内容の紹介
  3. 結果と考察
  4. 実践できること
 

1. 結論       

高強度・中強度インターバルトレーニング(自転車こぎ)を週4回×8週間する
(入院・治療などの問題発生なし)
 

2. 実験内容の紹介

 
ざっくりいうと、高強度・中強度インターバルトレーニングは、中・高齢者に対して実現可能な運動なのかを調べ、2型糖尿病患者に効果的なのかを調べた実験でした。
 
<方法>
 
以下のように三つのグループに分けて実験を行いました。
 
1.高強度インターバルトレーニング(HIIT)
実験者数23人 女性;12人
 
2.中強度インターバルトレーニンング(MICT)
実験者数19人 女性;8人
 
3.運動なし(CNOT)
実験者数16人 女性;8人
 
<実験期間>
 
週4回×8週間
 
<運動内容>
 
エアロバイクをこぐ(自転車こぎ)
 
ここで少し、キーワードの確認をしておきます。まず、糖尿病発生原因について簡単に話しますと、
 
インスリンの分泌低下から、血糖値が上昇してしまうことで、血管の流れが悪くなり心疾患や脳梗塞などを引き起こしまう
 (遺伝的素因や生活習慣なども影響あり)
 
そこで、本実験で使った糖尿病への影響を調べる指標を紹介します。
 

・酸素消費量:全身持久力の指標で、この値が大きいほど身体が元気の証拠である。また、糖尿病リスク低い

      (細胞内小器官のパワーを供給してくれるミトコンドリアがしっかり働いている)

 

グルコースブドウ糖)濃度:これが高いと糖尿病の大きな原因となりうる。

 

3.結果と考察

まずは、離脱者の数を見てみましょう。

 

1.高強度インターバルトレーニング(HIIT)
実験者数23人 女性;12人
 
→実験者数18人 女性;9人
 
2.中強度インターバルトレーニンング(MICT)
実験者数19人 女性;8人
 
→実験者数16人 女性;8人
 
3.運動なし(CNOT)
実験者数16人 女性;8人
 
→実験者数16人 女性;8人
また、主な離脱原因は以下のようでした。
 
・スケジュールが合わなかった(休日や葛藤)
・台風
・元々のブドウ糖の値が閾値を超えている
・足底筋膜炎(足裏に断裂ができている)
 
次に、先程の重要な指標の具体的な値の変化を見てみましょう。
 
酸素消費量                           HIIT                                        MICT                                     CONT
 [mL/kg/min]          22.3±1.0 →24.6±1.3             21.6±1.2 →23.3±1.2                21.4±1.3 
                                                                                                                                  →20.9±1.2
 
グルコース                              HIIT                                       MICT                                     CONT
[mg/dL]                         133±9 →127±9                   140±10 →139±7                147±16 →152±17
 
脂肪率                               HIIT                                        MICT                                     CONT
[%]                             37.9±1.9 →37.7±2.0                 36.3±2.1 →35.2±2.2               37.6±2.3 →38.5±2.3
 
体重                                 HIIT                                       MICT                                       CONT
[Kg/㎥]                         92.0±4.7 →91.4±4.5                  92.6±4.5 →92.2±4.8             91.5±3.9 →91.4±3.9
 
となりました。さあ、この結果何がわかるでしょうか。僕は以下のようなことを考えました。
 
・被験者は、怪我や追加治療などを必要とせずに大多数の人が実験を無事に終えている。また、離脱者の原因は、
 どれも私的なものや環境要因などが多く、非常にキツイからや体に高負荷だからといったことがない
 
・酸素消費量は「中・高強度インターバルトレーニングをすることによって上昇している。
 →エネルギー供給量が増加しているので、糖尿病に効果的
 
グルコースブドウ糖)の濃度も低下している。有効性は十分にありそう
 →ミトコンドリアがしっかりと活性化している
 
・脂肪率と体重はさほど変化していない
 →体重への影響は全くなく、体脂肪率が若干減少したことから、筋肉量が若干増えたのではないかと考える。
 

4.実践できること

 
前回までは、有酸素運動に注目をおいて考えてきましたが、今回は有酸素運動の中でも激しめの運動である、中・高強度インターバルトレーニングの有効性についてみてみました。
 
高強度インターバルトレーニングは通称[HIIT]=High Intensity Interval Training と言われるもので、『タバタ式』はみなさんも聞いたことがあるのではないでしょうか?
 
実際に私は毎朝起きたら、15分間のHIITトレーニングを続けていますが、なかなかきついです。
でも、これは私の経験ですが、HIITトレーニングを朝しなければ1日の生産性が下がることがわかっています。
眠くなったり、やる気がなくなったりと違いは明らかです。
なので、やる気+生産性をあげる一石二鳥のこのトレーニングはやはり私の1日には必要な存在です!!
 
ダイエットや他も目的がある方は別ですが、短時間で健康に効果的な運動はHIITが一番だと思います!
 
みなさんも一度試したらいかがでしょうか?
 
 参考文献
"Effect of All-Extremity High-Intensity Interval Training vs. Moderate-Intensity Continuous Training on Aerobic Fitness in Middle-Aged and Older Adults with Type 2 Diabetes: A Randomized Controlled Trial", Chueh-Lung Hwang PhD, aDepartment of Applied Physiology & Kinesiology, University of Florida, Gainesville, FL, Published in final edited form as: Exp Gerontol. 2019 February ; 116: 46–53. doi:10.1016/j.exger.2018.12.013.

 

有酸素運動の有効性は男女で違う?

みなさんこんには!今回は、コロランド大学の研究から分かった

有酸素運動の有効性を考えてみたいと思います。

 

今回の研究は、血管機能改善に重点を置いています。健康に関して血管機能は密接に関わっています。例えば、厚生労働省の調べから日本人の3大死因は悪性新規物(がん)、心疾患、脳血管疾患です。どれも、血管機能が関わっているのがわかります。しかし、万能思っていた有酸素運動は男女によって効果が違うのか?詳しく見ていきたいと思います。

 

目次

  1. 結論
  2. 研究内容の紹介
  3. 考察
  4. 実践できること
  5. まとめ
 

1. 結論           意外な結果、、

 
有酸素運動に有効性は、血管機能の点に関して、男女によって違いがある ということです。
 

2. 研究内容についての紹介   

目的:定期的な有酸素運動が健康な男性と女性の加齢に伴う血管機能にどのように影響するかについての類似点と潜在的な違いを
    明確にすること。
 
*予備知識
ここで、今回は見慣れない用語がたくさん出てくるので、紹介したいと思います
 
血管内皮機能:血管内の働きです。(伸縮や弛緩)
 
エストロゲン:女性ホルモンとも言われています。体の調子を整え、髪や肌に潤いをもたらしてくれます。ちなみに、男子にもあ  
        ります
経口エストラジオールタブレット更年期障害治療に使用され、エストロゲン補充の役割
 
経皮プラセボパッチ:簡単に言えば、何も効果のない湿布を貼ること
 
経口プラセボ錠剤:同様に、何も効果のない錠剤を服用すること
 
プラセボ治療:治療効果を明確化するために、何も効果のない薬と比較すること
 
アセチルコリン:リラックス効果をもたらしてくれるもの
 
バイオアベイラビリティ:飲んだ薬物が全身に回る割合を示すもの
 
評価指標:血管中の酸化ストレス・エストロゲン循環機能(これらは炎症や動脈硬化の大きな要因となりうる)
 
        実験内容:たくさんの先行研究の実験データから総合評価する。その中でも3つだけ紹介します。
 
実験1
 
8-9週の運動プログラムを行う
運動時間:50分/日
強度:最大心拍数70-75%程度
頻度:週6
 
結果:男性(中高年):50%血管機能が向上した(運動したグループとしていないグループで比較)
 
   女性(エストロゲン欠乏患者):明確な違いが見られなかった
 
その後の他に研究でも明確な改善や向上性は確認できませんでした。
 
 
実験2
次は、以下のような三つのグループに分けたグループにアセチルコリンを投与し血流反応を見ます
                                               1.) 閉経前の女性
                                               2.)エストロゲン欠乏の閉経後でかつ運動していない女性
                                               3.)エストロゲン欠乏の持久力運動トレーニングを受けた閉経後の女性
               
                          結果:1.)と3.)は同じ反応→血圧補正された
                           
                                                2.)は、血流反応が低く、加齢の影響を受けやすい
 
 
実験3
閉経後で運動をしていないエストロゲン欠乏患者を対象に行い、以下のような3つのグループに分けました。
 
最初の12週に以下のような錠剤を投与します
1.) 経口エストラジオールタブレットと毎週の経皮プラセボパッチ
2.) 毎週の経皮エストラジオールパッチと毎日の経口プラセボ錠剤
                                            3.) 12週間、毎日のプラセボタブレットと毎週プラセボパッチ
 
その後、12週間の有酸素運動レーニング(40〜45分/日、5〜7日/週の早歩き)を行う
 
その間、女性は最初のエストラジオールまたはプラセボ治療状態を維持させる
 
結果:ベースライン値と比較して、循環エストロゲン濃度は、12週と24週で有意に増加し、プラセボ群では変化なし
 
 
3. 考察
 
以上の実験結果から以下のようなことがわかります。
 
実験1.より、定期的な有酸素運動(中・強程度)は、男女共と一貫した有効性が示されていない。
 
実験2. より、定期的な有酸素運動は、エストロゲン欠乏患者の閉経後でかつ運動していない女性の血管内皮機能を
   一貫して増強しない。
 
実験3.より、エストラジオール治療と定期的な運動を組み合わせることで、中高齢の男性の運動トレーニングだけで生成させる
   効果がある。
 
少し難しいので、簡単にまとめてみます。
  • 有酸素運動は、中高年男性・女性のエストロゲン治療を受けた両方で血管内皮機能の改善にかかわる可能性がある。
  • 有酸素運動することで、、運動不足の中高年の男性、そしてエストロゲン治療を受けた女性とエストロゲン欠乏の閉経後の女性の両方で血管機能の減衰を軽減するが、男女で有効性が異なる。
  • 男性の場合、有酸素運動によってバイオアベイラビリティを高め、酸化ストレスを減らすことによって、男性の加齢に伴う血管内皮機能も維持する。
  • 女性の場合、エストロゲン欠乏の閉経後の女性における有酸素運動の同様に有益な効果についての一貫した証拠が現在不足している。しかし、以上の結果から、エストラジオール治療によって酸化ストレスを軽減させ、閉経後の女性の内皮機能の改善を引き起こす有酸素運動刺激の能力を回復させる可能性がある
4. 実践できること
 
今回の研究から、むやみに有酸素運動してもマイナスにはならなくても治療にまでなるかと言えば考えてしまう結果になりました。
 
治療にまで発展するにはまだ時間がかかりそうですが、予防はできると思いました。有酸素運動は先行研究から、男女問わず加齢に伴う動脈硬化の抑制や酸化ストレスの減少などの効果はわかっています。なので、予防に徹するのが一番だと思います!!
 
なので、無理のない運動習慣を身につけるためにまだまだ自分探しをします!!!
 
5. まとめ
今回は、血管機能の改善に重点を置いた内容から、有酸素運動の有効性について考えていました。
男女によって有効性が違うことにはびっくりでしたが、病気にならないように予防するためのヒントは得られたと思います。
 
 
 
参考文献

 令和2年(2020) 人口動態統計月報年計(概数)の概況 - 厚生 ...https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai20/dl/gaikyouR2.pdf

 

"Aerobic Exercise Training and Vascular Function with Aging in healthy Men and Women", Douglas R. Seals, Department of Integrative Physiology, University of Colorado Boulder, Boulder, CO 80309, USA, J Physial. 2019 Oct; 597(19):4901-4914.

 

健康に最適な有酸素運動をするには何が大切か?

健康に最適な有酸素運動をするには何に気をつければいいの?

 

みなさんこんにちは。運動は健康に良いことなのはみなさんご存知だと思います。しかし、具体的に何が重要なのかまで分かって行動をしている人はいるでしょうか?もしご存知なければ、これを見ればある程度は参考になると思います。

本日は、長時間の有酸素運動は健康に効果的なのかについて、コロンビア大学の研究結果を参考に考えてみたいと思います。

 

目次

  1. 結論
  2. 研究内容の紹介
  3. 考察
  4. 実践できることや試してみたいこと
  5. まとめ

 

1. 結論

有酸素運動の内容よりも大事なものがあった

 

有酸素運動を長期的(1年以上)継続すること。

また、短期的な期間(12週間)でも健康にはいい影響を与えてくれる。

つまり、有酸素運動は、短期的・長期的問わず、健康にはいい影響を与えてくれるんですね。

 

2. 研究内容の紹介

サクッといきましょう

 

それでは大まかに研究内容を説明したいと思います。

 

研究対象:111人の人々『男性(32%)女性(68%)』、年齢層『18-39歳』を対象に行い、

     82人の人に12週間の運動プログラムを行ってもらう。

 

研究方法:二つのグループに分かれて、1週間に4回、24分間と48分間運動するグループに分かれて実験を行いました。

     評価する内容としては、不安やうつ症状などをアンケートで数値化しています。

 

結果:この二つのグループの健康に対する有効性には目立った違いは見られなかった。(両グループとも有効性は大)

   運動量は26% 増加し、最大心拍数は、12% 低下していた。

   しかし、その後(実験終了しても運動を継続しているグループ)の研究結果から、継続すれば運動効果(不安現象や心理的安 

   定など)は続き、向上したベースラインは維持したままだった。

 

3. 考察

重要なことは量よりも続けること!

 

ここからはこの研究内容から考えられることを示唆してみたいと思います。私は以下のようなことを考えました。

 

有酸素運動は行えば健康にはいい効果をもたらしてくれる。

 

・若い年齢層の人にも効果は十分に確かめられた。

 

・あまり長時間の有酸素運動は短時間の有酸素運動と比較しても効果には変化なし

 

・長時間の有酸素運動は、継続にはマイナスになりえる可能性がある。

 

・運動を継続することでベースラインは維持され、徐々に負荷をあげることで向上できる可能性がある。

 

4. 実践できることや試してみたいこと

自分に最適な有酸素運動ってどう見つけようばいい??

 

やはり、しらべれば調べるほどたくさんの運動が健康にいいのかを教えてくれる気がします。例えば、

・心配事や、不安に強くなる。

 

セロトニン(脳内物質)をたくさん出してくれる。→気分が良くなる。

 

・糖尿病や高血圧などを防いでくれる

 

・睡眠も質が向上する

 

・集中力や怒りコントロールが向上する

 

などそれ以外にもたくさんの効果が期待できます。

 

でも今回で一番学んだことは、運動量をたくさん増やしてもあまり効果は向上しないことです!!

なので、1週間に1回1時間の有酸素運動を行うよりも、1週間に最低3回、20分間の有酸素運動を行う習慣の方が効果も期待できて続けることができそうが気がしますね!

ちなみに、今回の実験では、自転車に乗って有酸素運動を行っていました。私の経験上、自転車を家の中で漕ぐのはかなりきついと思います。なぜなら、景色が変わらないし、全く楽しくないかったからです。

どうすれば、自分に合った有酸素運動を見つけることでできるでしょうか?

私なら、たくさん試していきます。ただし、むやみに試すのでは無くこのような基準を作ってから実践します。

  1. 自分で効果がありそうなものを調べてリストアップする
  2. やり方を自分なりにやりやすいアレンジして実践する(そのまましない)
  3. お試し期間を2週間設ける

などです。ちなみに、私がオススメするのは、ランニングです。ただし、ランニングマシンは使わない野外で走るものです。

なぜなら、自然の空気を吸うことで気分がリセットされ、周りの方と話す機会にもつながる可能性があるからです。気分が良いといも話しかけられない人でも勇気が出て新しい会話ができるかもしれないからです。(多分)

 

なので、自分に最適な有酸素運動(短時間でできるような)を見つけるには、やはり自分で試して継続できそうなやつを見つけるしかないですね!!

 

5. まとめ

今回の記事では、以下のようなことを学びました。

有酸素運動は健康には効果抜群

・短時間でも効果あり

・長時間すれば効果が向上することは期待できない

 

参考文献

'Long-Term Effects of Aerobic Exercise on Psychological Outcomes', Thomas.M.DiLorenzo7 , University of Missouri-Columbia, Columbia, Missouri, 6521, Prevetive Medicile, Volume 28, Issue 1, January 1999, Page 75-8.